Welcome
鄭梃甄の経歴
My Guestbook
Contact Form

Cheng Ting Chen

Art Education for Autistic Children

get touch with me/
連絡方法:
テイ チョウケン
ccjoannejp@yahoo.co.jp
0ts40.35326220a@ezweb.ne.jp
電話:(81)080-6530-1434


Orderly Painting

   

問題意識

 

1、台湾の病院で6年間(19982005年)多くの自閉症児に絵の指導をしてきた経験から残念だと感じていることは、健常児の絵に対する考え方と大きく異なり、自閉症児の為の美術教育情報が少ないということである。自閉症の人の中には美術的才能を持つ人は多いが、それを上手に発揮できる人は少ない。自閉症の人と普通の人の考え方のシステムは異なるため、既存の方法に限界を感じることも多い。私は、その限界に挑戦してみたい。このような、理由から自閉症児を教えた経験をまとめ、他の人と情報交換することができるよう頑張りたい。

2、私は、2003年台湾で「手式」の個展で様々な手の姿の彫刻を発表した際に、自閉症の生徒たちが見学にきたことがある。ある子は会場で作品が並べてある順番に、その前で楽しそうに手の配列を2時間もの間模倣を繰り返していた。自閉症児は日常的なものであっても、配列的なものごとに対し、たいへんな情熱を注ぎ観察することで独特な絵のスタイルを作り出す。ポップアートの影響で現代において芸術的作品と日常的なものとの境界線はだんだん薄れてきている。そのような観点から、日常を題材として好む自閉症児の絵に対し、様々な疑問を持った。それらは以下のような事柄である。

 

1)単に同じ種類の物事・文字と数字の配列、地図の描写は、作品の創作ととらえてよいのか?もしくは作品の前身ととらえるのか?

2)なぜ自閉症児は秩序に対し、興味を持つのか?その秩序的な絵はどのように発展していくのか?自閉症児は秩序の概念に対しどのような美術創作的要素を加えていくのか?造形と秩序との関連性はあるのか?

3)あるシンボル、例えば交通標識などのマーク見て、その形を繰り返しコピーする習性は創造することをやめ、複製を繰り返すだけで、自己を大きく制限してしまう。どのような美術教育方が彼ら自身を制限せずに内面の特性を発揮できるのか、両者のバランスをどのようにとればよいのか?

4)自閉症児は具体的な物事、つまり目に見えるものしか理解できないので、非言語的なものをどう教えればよいのか?

5)自閉症児は明確な対象や、手順によって物事を理解するので、臨画は自閉症児にとっては重要な意味があると思われるが、創作と模写は、どのような関係であるのか?どのように自閉症児の創造力を確保するのか、自閉症児の秩序的な絵と制作行為を分析することにより、様々な指導方法を模索していきたいと考える。

人間の芸術活動には芸術、教育、治療という三つの側面が含まれ、それがいつも同時行われるといったのは、シュタイナ-(1861~1925)であったが、この指摘は重要である。つまり、芸術(美術)が教育される時、必ず治療行為が伴っているということになる

芸術療法は、主に精神医療の臨床学として「心理障害者の健康回復を援助する手段、目的をもって、人間が日常生活の中で行うことが可能な創造的な諸活動を開発させつつ行う、応用的治療手段であり、絵画、音楽など数多くの技法を用いて治療的アプローチがなされるという比較的広い概念と技法を含んでいる」(徳田良仁)

絵画療法への導入と治療手技は絞られる同じ狭い絵の課題によって様々な違う出身背景や性格や興味の子供に描かれる。その問題点として、あらゆる表現形象に対して、独断的解釈を行う恐れがある。

絵を描かせる目的は、創造的な活動を促すことや、美を発見させ子どもの感じる力を伸ばしてやることや個性を自由に開放させてやることなどである。そして、子どもの絵が上手と判断する条件について、扇田博元は「絵による児童診断法」の中で以下のように述べている。

 

 

1、自身の経験から創造したもの

2、自身のイメージを表したもの

3、自分の心性に応じて表したもの

4、自身の欲求に結びつけて表したもの

5、子どもの環境に対する態度を示したもの 

 

  美術教育の目的は、子供の思考様式に基づいて表現することや、有効的な美術造形の技法を合わせて自由に作品を表わすことである。その一方で、理性的、感性的、全人的な人間形成の一翼を担っている教科領域だと思う。この論文の目的は、芸術治療ではなく、美術教育である。自閉症児の美術制作的能力を発展させると共に、新たな教授法を見つけたい。
 

自閉症とは

 

「自閉症」という言葉は、一般的に誤解を受ける事が多い。自閉症は心を閉ざす病気ではない。自閉症は胎児期における脳障害がもたらした発達障害で、普通の子供の発達の過程と比べ、物事の概念化や体系化が遅れ、特に言葉の理解や対人関係などに遅れが目立つ。自閉症の症状は皆それぞれ異なるが、3つの症状が共通する。それを「3つ組」の障害という。

 

ローナ・ウィングの唱える自閉症スペクトラムの「3つ組」の障害

 

1.他社に対する全般的な対応の欠如:

社会性の障害・・・非常に単純化して言えば、他社との交流がうまくできない

 

2.言語またはコミュニケーションの障害:

コミュニケーションの障害・・・全くしゃべらない、逆にしゃべりすぎる、オウム返しをする。独り言を言う。言葉の意味を文字通りに受け取るなど、幅は広いが何らかの伝達手段の障害が認められること。

 

 

3.変化に対する拒絶反応、同一性またはその他の異常行動の保持:

想像力の障害・・・想像力を発達させることが困難であり、幼児期にごっこ遊び(ままごと等)をしたことがなかったり、たとえ遊んでいても同じ事にこだわるため、柔軟にルールを変更することなどができずにトラブルをおこしてしまったりすること。

 

その中で、一部の自閉症児にはある特定の範囲、例えばカレンダーの推算、速算、視覚芸術、音楽、工芸能力、空間技術等において、特異な才能を持つ子供がいる。このような自閉症児は、高機能自閉症児と呼ばれている。そうかと言って、本質的には他の自閉症とかわらない。    

自閉症児の描画の発達について

 

1.描画発達における困難な点

自閉症児は描画の発達が同じ年齢の健常児より遅いことが認められている。その原因は、いくつかある。

1)自閉症児は運動属性やスキル課題により、運動の発達時期に相違があり、物の操作や時間系列を伴う運動課題を処理するのに困難を伴う。健常児と比べ視覚情報を有効に活用できず、模倣能力も弱い。そのため、身体意識の未熟さや中枢神経系の機能障害などが原因で美術制作には指が不器用な人が多い。くの健常児の場合、11、12才になると写実期に入るが、自閉症児の多くは落書きすらできない。相変わらず図式期或いは錯画期で止まっている。

2) 変化を好まない姿勢が、物事をいつも同じ状態で保っておこうとする一種の強い欲求がある。絵の表現を公式化してしまう。物事をうまく概念化することができず、物事を全体的に把握したり、抽象化したりすることが苦手である。それでも私達の創造を超えた能力を発揮することさえある。よく、ある特定の細かい点に固執して全体を認識する為、知識の増長を妨げることもある。

 

3) 変化を好まない姿勢が、物事をいつも同じ状態で保っておこうとする一種の強い欲求がある。絵の表現を公式化してしまう。物事をうまく概念化することができず、物事を全体的に把握したり、抽象化したりすることが苦手である。それでも私達の創造を超えた能力を発揮することさえある。よく、ある特定の細かい点に固執して全体を認識する為、知識の増長を妨げることもある。

 

  自閉症児は違う人、違うテーマであれば発達状況は異なる。自閉症児の発達のステップは必ずしも年齢的発達のステップに伴ったものではないと思う。

 

 

 

2 絵画の発達理論からの観点

現在児童の絵の発達理論によると大きく分けて、2つの方向がある。

1つは、心理生物学的側面からみて、子供の年齢によっていくつかの段階に分かれ、直線的に発達する。

  もう一つは生物的側面と社会文化背景によって、生物の模写本能によって、子供の絵の描写行為を説明する。子供の絵は心と体の成長によってのみ発達するのではなく、家庭、学校、仲間、メディアなどの影響によって子供は画像や記号の模倣が絵の要素となる。「地図」のような形で絵を発達させる。

 

自閉症児の絵の発達は、後者の見方が合うと考える。後者の観点は以下で説明する。

    1997年KindlerDarrasは子供の年齢によって絵の発達段階を分ける方法とは異なるモデルを発表した。[2]パターン言語と社会文化を基礎として、パターンやシンボルは言葉となり、絶えず変化する社会環境によって絵を発展させた。KindlerDarrasは絵の発達は「地図」に喩えて、絵の描写行為とは異なる目的、すなわち需要と意図によって表現する。それには3つの認知目的、同一性(identity)、相似性(similarity) 、相違性(difference)によるものである。絵の目的は8つに分けることができる。

 

     標記的目的(Teleology of Representation):絵を描く最初の目的は、生物的なものである。体の動きから軌跡を見つける。例えば子供は手でものを拾って振る時の動線である。

     成形的目的(Teleology of Figuration):動きの軌跡から記号をつくる。

     組織的目的(Teleology of Organization):反復性のある動きは、法則に沿って図画になる。このような絵の要素を積み重ねて作る。新しい形式と古い形式は同時に存在する。大人になっても、子供のように落書きをすることもある。

     自主的目的(Teleology of Autonomy):法則性、密閉性、一致性を件名に探し求める。初めの図案は円形である。

     叙述の目的(Teleology of Narration):子供は動いているものや一時的な経験をもとにして、動きや言葉を使いながら絵を描き続ける。胴体的な動作を表すとき、絵を描きながら言葉で描写することによってその絵の意味を表すことができる。

     描写的目的(Teleology of Description):ものの特徴と属性を取り出し、異なった形式で組み立てて描き、それが図画的特徴となる。

     描写・叙述的目的(Teleology of Description and Narration):1つの物語から絵を描写することで1つの作品となる。絵の構造要素の配置を大切にする。

     叙述・描写的目的(Teleology of Narration and Description) :物語を話すことがその絵の重要な要素である。絵と言葉による説明を同時に行う。

 

自閉症の性格的特徴は、一般人の行動の比重分配とは違う。この8つの絵の目的の表すことは、全て均等に同じように表現するわけではない。ただこのような課程から彼らの絵の発展段階を理解する可能性を探求することができる。

 

 ①、②、③、④は生物的側面を重点とする。自閉症児はこの方面に於いては精力的に実践しようとする。彼らは体の常同運動[3]からリズムを感じたり、日常生活の中の反復動作に注意を注いだりし、それを習慣化させることで作品の特殊性に大きな影響を与える。彼らは軌跡を記録することに対しては一般人と違い、大きな情熱を注ぐ。その興味は、方向、足跡、時間、標記、先人の行いの形跡の模倣、規則性などであり、それを使って絵を表現する。絵の内容と構成要素として例えば、地図、シンボル、時間、文字、数字などである。それら熱狂的に崇拝してどこまでも追い求める。そこから絵画形成や、組み立てをしながら絵を発展させる。  言語発達障害と抽象的なものごとを理解しがたいということから、⑤と⑦と⑧の特徴が弱い人が多い。そのかわりに自閉症児が日常生活を送る上で手助けとなるように教育者は絵を用い、彼らに描かせることによって、生活、知識、人間関係、言語等を理解させることができる。