彼らは、例えば地図を描くとき、完全に抽象的な標記や線など、互いの関係に基づいて観察し描く。その標記と人間の感情とは関係がなく、内容や意味などはない。日頃から、よく普通の地図を手にし、様々な角度から観察したり、車のカーナビ画面に興味をもったりすることをきっかけとして、ある日突然自発的に地図を描きはじめることが多い。
自閉症児は、このような秩序的な絵を好むが、教師がその絵の内容から新たなものを示唆することは難しい。なぜならこれらのテーマは、例えば国旗や、路線図など日常生活の実物とは異なったシステムや論理的なものからであり、それは識別系統の一部でしかない。
2)技法の表現:重複のリズムで「足し算の描画」である
1.線や図案は、同じ場所にではなく、画面の至る所に描き反復するもの
2.線や図案は、同じ場所に繰り返し描くため、タッチがあつくなる
繰り返して動いているものは彼らにとって大変魅力的である。例えば、輪ゴムを触ったり動かしたり、指ではじくことなど。ある自閉症児のスケッチには、同じ方法に繰り返し何本も線が引かれていた。画面上に繰り返し描かれた線は、彼にとって観察から得た本質的な対象である。例えば、カタツムリの殻や、髪等、その実物から抽象的なリズムを感じ、繰り返すことに拘ることが絵の要素となる。